高良山           〜福岡県久留米市〜

            一九九五年五月五日(金) 高良山   妻・ヨシキ・ユリ
           王子宮(10:20)→(11:20)高良山(12:30)→(13:20)王子宮

 家族四人でのハイキングは昨年一〇月の天拝山以来のことだ。なかなか思うようにファミリー登山を実行することができない。熊本での金峰山登山も天気に祟られてこのところ実行していない。みどりの日の連休に帰省したが、雨のために全く登山ができなかった。

 三連休も前半は天気が悪かったが、最後の子供の日は晴れた。まさに五月晴れである。妻が弁当を作り、登山の準備をして出発する。しばらく山に行っていなかったせいもあって、ヨシキもユリも意欲満々だ。高良山がいいか天拝山がいいか話をしたが、ヨシキは売店のある高良山がいいと答えていた。これを聞いていたユリが「天ぷらやさんがいい」と言ったのは爆笑だった。

 登山口の駐車場に到着して歩き始める。お馴染みの王子宮登山口である。駐車場も広く、ここからが一番都合がよい。念のために背負い子も持っていく。ヨシキもユリも割合調子よく登っていく。初めの方の登山道の木が伐採されていて無惨な光景を眺めながら歩くことになった。ユリは母親に甘えてしまって、手をつなごうとしたり、背負い子に乗ろうとするが、なだめて抑えながら登っていった。ヨシキとユリが手をつないだり、組み合わせを変えて三人で歩いたりもした。

 三分の二ほど登って久留米市内が望める展望のよい休憩所でひと休み。お菓子とジュースを持ってこなかったので、おにぎりとお茶をおやつにする。ここまで来ればもう大丈夫だ。高良山森林公園までちょうど一時間で登った。

 山頂では花畑の中で昼食にする。妻の手作りの弁当だ。こういう場合はこれまでほとんど中村屋の弁当だったと思う。今回はおにぎり、お寿司、肉、イカなど盛り沢山だ。これをおいしく平らげた後でヨシキとユリは売店に行く。ヨシキはアイスクリームを買い、ユリはなぜかビスケットを買った。山頂で写真を撮ったり、走り回ったりする。二人とも元気だ。山頂は車が多い。あまりにも多いので渋滞して車どうしが身動きがとれないほどだった。高良山は人であふれていたが、歩いて登ってきた人はこのうちの一〇分の一程度だろう。

 下りは二手に分かれることにした。妻とユリは登った道を下山する。私とヨシキは高良大社から王子池に直接降りる道を下ることになった。ユリに比べてヨシキが歩き足りないのではないかと見たためである。このルートを歩いたのはかなり久しぶりだったが、風情はあった。高良大社までの道はアップダウンがなくて快適な自然歩道だった。途中で山川町にお住まいの中年の夫婦に甘納豆をもらってヨシキは喜んでいた。王子池に下る石段は四〇〇段もあるとのことで長かった。

 降りてくるとすぐに妻とユリも到着した。ユリは背負い子に乗ることなく歩き通したということである。これには驚いた。ヨシキが初めて高良山に登ったのは二歳八カ月の時である。その時ヨシキは上りもやっと登ったし、下りは私にダッコされていた。ユリは現在二歳七カ月である。上り下りともにお手手をしたぐらいで歩き通したことは評価されていい。しかも帰宅後ヨシキはすぐに眠り込んでしまったのにユリは元気に遊んでいた。「後生おそるべし」である。                                     

高良山森林公園の売店の前





  一九九五年一二月一〇日(日)    高良山  ヨシキ・ユリ
  王子宮(12:00)→(12:40)高良山
      (13:20)→(13:50)王子宮

 この日は一一時に小郡市文化会館に立ち寄る必要があった。それで時間の使い方に迷ったが、最近ヨシキがやたらと「山に行く」「古処山に登る」と叫んでいた。また今日は寒いが天気はいい。それで時間が遅いが、親子三人で高良山に登ることにした。

 高良山に登るのは今年の五月以来だ。これまでにファミリーでは七回訪れている。失敗したのが二回で、登頂したのは五回だ。高良山は頂上に売店やトイレがあるので便利だ。
 今日は二人とも調子がいい。ハイテンポで難なく登っていく。ヨシキは五歳六カ月、ユリは三歳二カ月だ。ヨシキが先頭、ユリが続いて、私がしんがりを務める。道ばたにミミズがいたので百合は「この山にもミミズがおるね」と叫んでいた。そういえば八月の金峰山にもミミズがいたから、それを思い出しているのだろう。三分の二ほど登って展望のいいところで休憩する。お茶を飲んで飴を食べる。それからは一気に登る。

 頂上に着くと閑散としている。寒いせいだろうが車も少ない。たこ焼き屋さんは閉まっている。しかし売店は営業している。売店の前の原っぱでおにぎりを食べる。ここで犬に襲われておにぎりを取られた。ユリは怖がって泣いていた。野良犬だという。売店の中で食事を続けて、アイスクリームを食べたりする。ここから母親に電話もした。

 下山も快調だった。滑りやすいところは注意するが、ほとんど自分で走るようにして降りていった。王子池に着くとユリは全身で喜んでいた。「ワーイワーイ着いた。ユリちゃんがいちばんだあ。」と叫んでいた。帰ってからもユリはハイな状態で、いつになくかわいらしかった。車に乗ると疲れたのかすぐに二人とも寝込んでしまった。しかし帰宅するとすぐに復活して遊び回っていた。

 ユリは一日元気だったが、ヨシキは気分が優れず夜になって何度も嘔吐していた。登山が悪かったのかどうかは分からない。翌日が妻の誕生日だったので、焼き鳥安兵衛でお祝いをしたが、この帰りにヨシキが「お父さんは誘拐犯人じゃない?僕のお父さんを殺したんじゃないの?お父さんは本当は誰ね?お母さんも偽者じゃないの?」などと五歳児とはとても思えないような奇怪なことを口走っていた。体調が悪かったのだろうと思われる。

 今回のコースタイムは上り四〇分、下り三〇分ということで、これまでの記録を大幅に短縮した。五月は上り下りともに六〇分だった。正午出発という悪条件にもかかわらず、これだけの記録を残せたのは嬉しい。ヨシキは古処山に登れるかもしれないという期待を持った。

 ファミリー登山は昨年よりも後退している。昨年はヨシキやユリと合計一三回山に行った。今年は八回に終わった。私が忙しかったこと、天気に祟られたことが理由だが、今日の母親抜きの三人での高良山登山の成功は今後の励みにはなるだろう。来年に向けて期待したい。

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