黒岩山・泉水山           〜大分県九重町〜

        一九九三年七月四日(日) 黒岩山・泉水山
              村上一朗・モロさん・坂口博・タナカさん
牧の戸峠(10:35)→(11:05)黒岩山(12:00)→大崩の辻→(12:45)上泉水山(12:55)→(13:20)下泉水山(13:40)→(14:40)長者原

 読書会夏山合宿の下見に出かけた。宿泊を伴う下見に参加するのはこれで四回目だ。過去三回は、長者原寒の地獄温泉・別府亀川温泉・産山村大平の上に泊まっている。そして久住山・由布岳・鶴見岳・涌蓋山などに登っている。今回はモロさんのよしみで、湯布院の福万山のふもとにある宿舎に泊まった。湯布院青少年スポーツセンターの近くである。きれいで感じのいい宿だった。由布岳・倉木山の稜線と湯布院の夜景がきれいだった。

 登山は最近関心を強めていた九重の黒岩山に登ることになった。「山と渓谷」七月号に黒岩山の紹介が載っていた。泉水山からの縦走コースだった。また、甘木のふっくんからも黒岩山の評判はお聞きしていた。この山がこれまであまり登られなかった理由は、一五〇三メートルという標高の低さにある。一七〇〇メートル台の山が林立している九重山群にあっては確かに低い。登山口の牧の戸峠との標高差は二〇〇メートルもない。牧の戸峠から久住山を目指す登山者は多いわけだが、牧の戸峠から三〇分で登れる黒岩山はこれまで冷遇されてきた。私としてもこれまで黒岩山を軽くみていたのは確かだ。九重山群の主な山をほぼ登ってしまったからこそ、黒岩山に興味を持ち始めたわけである。

 この時期梅雨の長雨で天気が悪く、登山ができるかどうか心配されていた。当日も雨こそ降っていないが、九重山群の頂はガスのなかだった。どうしようか迷ったが、とにかく牧の戸峠から黒岩山にだけは登ってみようということになった。最初の一五分ほどは観光客混じりの散歩コースである。黒岩山に近づくと圧倒される。かなりの急坂が待っている。雨の後で滑りやすい。ガスの中をあえぎあえぎ登る。ある程度登ると牧の戸峠や沓水山の展望が開けて気持ちいい。しかしやがてガスの中になる。きつい登りも長くは続かない。一五分ほどで平坦な感じのいいところに出る。

 ガスが深いのでここで早めの昼食にした。のんびり食事をしていると、蝿や虻が増えてきた。中年夫婦の登山者がやってこられて、泉水山まで縦走するとのことだった。他に登山者がいるということで勇気づけられた。

 黒岩山の山頂はすぐ先だった。しかしここも蝿や虻や蜂が多かった。すさまじい感じもした。ここからは楽しい縦走路になる。アップダウンがなく快適な遊歩道だ。天気がよければ右にやまなみハイウェイや九重連山を望み、左に筋湯温泉などを望めるのだろうが、生憎のガスで残念だった。黒岩山から上泉水山までの一時間弱の縦走路は素晴らしかった。ぜひ一度歩いてみることをお勧めする。春秋の晴天時が最高だろう。

 上泉水山から下泉水山を経て長者原に至る道は急な下りだ。雨後で滑りやすいところもあり、何度か転んだりもした。林の中を進んだり、変化のある面白い下山路だった。下泉水山は山とは言えないが岩の上の面白いところだった。林を抜けると展望が開ける。標高が下がってきて雲の下に出たようだ。崩平山や万年山が見える。ここからどんどん下って長者原のキャンプ場に出る。そこの小川で靴やズボンの泥落としをした。

 長者原に到着すると、さっきの夫婦が既に着いておられた。このお二人は北九州から来られたそうだ。九重は今年三回目とのこと。子供が巣立ったので二人で山歩きをなさっているとの由。うらやましく思った。坂口さんが牧の戸峠まで車を取りにいっていらっしゃる間に、犬と蛇のにらみ合いがあった。村上一朗さんはこれを喜んでおられた。天気が今一歩だったせいか、長者原にはそれほど人は多くなかった。五人で行動をともにした楽しい山歩きだった。

 この縦走路には標識が少なかった。ゴミもあまりなかった。登山者も多くはないようだ。長者原を中心にして歩くと、四時間で一周できる。今回は歩いていないが、牧の戸峠と長者原の間の自然歩道もなかなかのものだ。このルートは気に入った。天気のよい三〜五月か一〇〜一一月にぜひやってきたい。黒岩山はいい山だ。大園伸三「九州百名山」にも山と渓谷社「九州百名山」にも選定されていないが、もし私が九州の百山を選ぶとすれば躊躇なく黒岩山は選定するだろうと思う。

 読書会の夏山合宿でこの縦走路を歩くことになった。私たち一家は牧の戸峠から黒岩山まで登ることにする。ヨシキは大人の足で四〇分までの登りが限度だろうし、ユリも長時間のおんぶには耐えられないだろう。早めに降りて、ゆっくりすることにする。
 
 帰りに玖珠町のJR北山田駅近くの「ろおかる」という喫茶店に寄った。これはかつて筋湯温泉に行っていた頃、帰りに時々寄ったところだ。朝七時から営業している。落ちつける喫茶店だ。話がはずんで一時間ほどもゆっくりした。今後の登山計画について色々と楽しい話が出た。対馬の有明山と白嶽はぜひいつか登って見たい。村上一朗さんが対馬出身だし、友人のウタノさんが対馬在住なので、つてはあるわけだ。八月に村上一朗さん・「桜買うたか」さんと私は三人で西穂高岳・乗鞍岳のツアーに参加することになっている。これは今年の夏の最大の楽しみになる。      
                                              

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