日奈久温泉・熊本観光  
2006年3月

                                              


温泉神社


職場の同僚4人で日奈久温泉に行くことになった。日奈久温泉は熊本県八代市の南端に位置する。古くからの温泉だ。竹輪が美味しいことで知られている。私は1986年3月にも職場の同僚と行った。その時は翌日五家荘方面を回って帰った。ちょうど20年ぶりで日奈久に出かけることになった。

 日奈久温泉は室町時代から始まったと言われている。600年の歴史がある。夏目鏡子の『漱石の思い出』のなかに九州の温泉めぐりをしたことが記されているが、その中に日奈久も出てくる。これは鏡子の記憶違いで夏目漱石が日奈久に行ったという記録はない。ただこの記述により、明治時代に日奈久が船小屋、二日市などと並ぶ九州の有名な温泉地だったことが分かる。

久留米インターから八代インターまで高速道路を走る。車中では話が弾む。車が2000tと大きいので、後部座席も快適だ。2時間ほど気持ちよく過ごした。

 八代インターを降りて、球磨川を渡り、国道3号線を水俣方面に向かう。八代に来たのは30年ぶりだが、町並みには全く記憶がなかった。

 日奈久温泉の目指す宿は3号線沿いにあった。ホテルの部屋でくつろいだ後、散策に出る。竹輪を売っている店もあるが、全体としてはさびれた観光地という感じだ。温泉神社に参拝する。日奈久温泉は海と山にはさまれているので、神社も小高いところにある。石段を登っていくと、日奈久温泉の守り神とされる神社がある。さらに鳥居をくぐってあがると、稲荷神社がある。息を切らしながら登っていった。

 降りた後で、温泉センター前の「六郎の湯碑」で記念撮影。六郎左衛門が神のお告げで海の浅瀬を掘ると温泉がわき出したという日奈久温泉の始まりを記念する碑だ。マルショクで飲み物や夜食を調達する。入浴後の夕食は海の幸が豪華で堪能した。魚、エビ、カニ、茶碗蒸しなど美味しかった。満ち足りた幸せを味わった。寝るまで会話が弾んだ。職場の同僚とは普段は仕事の話しかしない。お互いこれまでの生活歴やそれぞれの人生観がある。それを聞くのは楽しい。いい時間を過ごすことが出来た。

 朝は私が最初に目覚めた。海辺の夜明けは神々しい。6時半から一人で散歩に出た。朝早いが、中学生の集団と出会った。八代市で中学サッカーの大会が開かれていて、日奈久温泉に中学生が大勢泊まっていた。早朝の時間に温泉神社などを見ているようだ。

 種田山頭火の記念碑を見に行く。この記念碑は温泉の湯が出るようになっていて、手が込んでいる。放浪の俳人である山頭火は昭和5年9月に日奈久に来ている。「温泉はよい。本当によい。ここは山もよく海もよい」と書いている。日奈久に3泊したそうだ。山頭火の足跡は英彦山、船小屋温泉など九州のあちこちにある。山口県にも行ってみたいものだ。

 朝の街というのはとてもよい。町中を散策して、日奈久温泉駅まで行った。九州新幹線が開通して、肥薩おれんじ鉄道の駅になっている。この線路はトンネルが多い。本数は日中は1時間に1本程度だ。

 そのあとで、山の方の遊歩道を登ってみた。舗装された道が緩い傾斜で上がっている。標高が上がると海岸の展望が開けてくる。高速道路(南九州自動車道)の向こうの海がきれいだ。日奈久の町並みも美しい。もっと上がりたかったが、「朝食の準備が出来ました」のメールが入り、引き返した。

 帰った後で調べると、『家族で歩く熊本のハイキングコース』にこの日奈久の山のことが出ていた。私が歩いたのは櫛山という標高290メートルの山だ。山頂に仏舎利塔があるらしい。50分ほどで登れるというから半分ほど登ったことになる。

 日奈久の町や山を歩き回った後なので、朝食は美味しかった。9時に日奈久を後にした。ふりかえると海と山の風景が良い、大正・昭和の風情を味わうことが出来た。

 八代南インターから高速道路に入り、宮原パーキングで休憩して竹輪などの土産を買う。そのあとは益城インターで降りて、熊本近代文学館へ。中を見学した後、3.4キロの江津湖ウォーキングコースを歩く。天気がよく気持ちよいウォーキングになった。話をしながら歩くのにはちょうどよかったと思う。私も3年ぶりにこのコースを歩いた。スイゼンジノリは甘木とも関係あるのでみなさん興味を持っていただけたようだ。きれいな水のほとりのウォークはとてもよかった。

 私が高校生の頃、江津湖は高校生のデートコースだった。「昨日江津湖に行ってボートに乗った」というのはトレンドだった。そんな話をみなさんに聞かせていた。

 動物園からタクシーで近代文学館に戻り、熊本市の中心部へ向かう。駐車場に車を止めて、ダイエー下通店のラーメン城下町へ。熊本ラーメンを食べる。その後は熊本城見学。天守閣と宇土櫓を見る。城めぐりが好きな人がいて、色々と面白い話を聞くことが出来た。城内では春のスケッチ大会が開かれていて親子連れで賑わっていた。熊本城は広いのでこの中を歩くと良い運動になる。日奈久、江津湖、熊本城と今日はよく歩いた。

 上通りの蜂楽饅頭屋さんで蜂楽饅頭を食べる。蜂楽饅頭は今は天神岩田屋にもあるが、熊本が本店だ。私は40年前から蜂楽饅頭を食べていた。ラジオコマーシャルの「宇宙食実験開始、蜂楽饅頭を食べよ」を思い出す。熊本のアーケードは道幅が広いので、のんびりと歩ける。私もこのアーケードを歩くのは好きだ。

 最後に武蔵塚公園に立ち寄る。宮本武蔵が好きな人がいたので、熊本市内の武蔵めぐりをしたかったが、霊巌堂や島田美術館は熊本市の西部にあり、今日のコースからは外れてしまう。またの機会に案内しようと思う。

 熊本インターから久留米インターまで高速道路を走り、午後5時解散となった。日奈久温泉と熊本市内観光を楽しむことができた。4人で出かけたので旅行についての関心はそれぞれだ。ゆっくり温泉でくつろぎたい人、色々観光して回りたいこと、そりぞれの関心を満たすことが出来たと思う。貴重な時間を過ごすことができて楽しい旅になった。

 日奈久の櫛山には登ってみたい。日奈久にはJRと肥薩おれんじ鉄道との乗り継ぎで、熊本から1時間ほどで行くことができる。甘木から日帰りすることも可能だ。鉄道の旅がいつかできないかと思った。  

海の幸


日奈久温泉の山頭火記念碑


日奈久温泉駅


櫛山遊歩道


海を見下ろす


日奈久の風景1


日奈久の風景2


熊本近代文学館


江津湖の水


江津湖の漱石碑


熊本城


武蔵塚公園


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