立花山・志賀島散歩    〜福岡市東区/新宮町〜

                 2005年8月13日(土) 立花山  読書会
三日月霊園(9:35)→三日月山(10:25)→楠原生林→(11:30)立花山(12:25)→(13:45)三日月霊園

 読書会の合宿は夏の恒例行事だ。家族そろって参加している。昨夏は高千穂まで出かけた。祖母山系の親父山に登り、夜神楽を見物して、国見ヶ丘、天の岩戸神社を訪れた。今年は立花山に登り、志賀島に泊まることになった。私は海の中道には行ったことがあるが、志賀島に足を踏み入れたことはない。ヨシキもユリも志賀島は初めてだ。ななちゃんは仕事で来たことがあるらしい。立花山と志賀島を楽しみにして当日を迎えた。

 早起きして準備をする。ななちゃんはみんなの弁当を作ってくれた。ゆりはおにぎりを握る。8時に家を出て、集合場所のムラカミさん宅に向かう。高速道路も下りは混んでいるが、上りはスイスイで、9時前にはムラカミさん宅に到着した。      
                                              

みどりの中を歩く


  参加者は10名。ムラカミさん夫妻、オチさん夫妻、サカグチさん、モロさんとあいちゃん一家だ。4台の車で登山口に向かう。三日月霊園に着くとそこが登山口になっている。

 我が家にとっても家族4人そろっての山歩きは久しぶりだ。三日月山、立花山はムラカミさんやマナブさん一家と登りに来たことがある。標高は低いが木陰の中を歩くのでそれほど暑くはない。途中で休憩して写真を撮る。デジカメの三脚が役に立った。

 三日月山へは縦走路から80メートル登らなくてはいけない。オチさん、サカグチさん、モロさん、ヨシキ、ユリ、私の6人が登る。四方が開けて見晴らしがよかった。

 立花山への縦走路を歩く。真夏だが意外に歩いている人が多い。福岡市近郊の山なので人気が高いようだ。立花山に直登せずに、山腹を巻いて、国特別天然記念物の楠原生林を見に行く。立花口からの登山道と合流してやがて立花山山頂に着く。

 山頂にはそれほど人が多くなかった。暑いので午前中に登ってしまう人が多いようだ。昼食タイムになる。ななちゃん特製の弁当はおいしかった。焼き肉もおにぎりも美味だ。デザートの梨もおいしい。

 食事しながら会話が弾む。モロさんはマイペースで週一回の登山を続けられている。宝満山系が多いようだ。サカグチさんはこのところ宗像周辺の登山を続けられている。結婚三ヶ月のオチ夫妻は仲良しだ。ななちゃんと私は結婚式に出席した。ヨシキとユリも山の中では明るく、仲の良い兄妹になっている。ヨシキは日常あまり運動をしていないが、山の中での足取りは確かなもので頼もしく感じられた。ユリは虫に苦しんでいた。なぜ虫除けスプレーを忘れたのだろうか。ムラカミさんとエツコさんは木登りを楽しんでいた。標識があり、立花山は最澄ゆかりの山だということが分かった。あとで調べてみると新宮町役場のホームページに記載があった。
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立花山は天地創造の神といわれるイザナギノミコトとイザナミノミコトの2柱が住む山として、昔は、二神山(ふたがみやま)と呼ばれていました。
805(延暦24)年、最澄が唐で天台宗を学んで帰国し、教えを広めるために立花山山中で独鈷寺の建築にとりかかりました。
その時、最澄が唐から持ち帰ったシキミの杖を岩に立てかけていたところ、先端から根が生え、上の方からは枝葉が茂り、花も咲きました。このことがあってから、山も村も立花と呼ばれるようになったとのことです。 (新宮町役場ホームページ)
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 下山はノーマルルートでなく、急な下り道を歩いた。ロープを伝いながら慎重に降りた。この時のヨシキの足取りが確かで、とても感心した。15分ほどで一般遊歩道に出て、あとはのんびりと出発地まで歩いた。全体としては日陰が多く涼しいコースだった。ただ夏場なので喉が渇く。用意していた飲料水は全て飲んでしまった。登山口に帰り着くと、自動販売機でジュースなどを買って飲んだ。

 下山後、志賀島に向かう。香椎から埋め立て地のアイランドシティを通る。海の中道から志賀島に渡るところの志賀島海水浴場は大変な賑わいだった。路上駐車の車があふれ、通り抜けるのに苦労した。

 志賀島に入り、西回りで進んでいく。金印公園や蒙古塚を通り過ぎる。休暇村志賀島の前の海水浴場を過ぎるとすぐに勝馬海水浴場の海の家「浜幸家」に着く。

 部屋に入り、準備をして泳ぎに行く。ヨシキとユリは水着に着替え、浮き輪を持って海に入る。陸に中津宮があり、海水浴場の対岸に小島の沖津宮があり、引き潮の時は歩いて渡ることができる。ヨシキとユリはムラカミさん夫妻に遊んでもらっていた。海で楽しそうにしていた。クラゲに刺されたようだが、二人とも楽しんでいた。

 入浴後に夕食。料理は海産物を中心に豪華だった。サザエの釜飯がおいしかった。この宿はサザエの壺焼きが名物のようだ。あまり産業化していないというのが好感が持てる。

 食後に読書会。ヨシキもユリも古事記を手に参加していた。今回は神武天皇のところを読んだ。ユリはよく喋っていた。「ムラカミさんは物知りですね」などと思ったことを口に出していた。恐れを知らないとはユリのことだ。ヨシキの受験の相談の時間もあった。モロさんがサクタ君の受験のことなどを話して下さった。談論風発の楽しい時間だった。ヨシキとユリは生まれた時から読書会に来ているが、いつも遊んでいた。二人とも中学生になって初めての読書会だ。理解の程度はともかく、中味に参加した意義は大きいと思う。古事記の分かりやすいテキストを買ってやろうかと考えている。

 朝は明るくなって自然と目が覚めた。時計を見ると6時だった。オチさんは既に起きていた。私は一人で海辺の散歩に出かけた。潮風が気持ちよかった。朝から泳いでいる人がいた。航海する船が見えた。海を見ながらボーっとしていた。缶コーヒーがおいしかった。

 旅館まで戻ってくると、ヨシキに会った。彼も起きて一人で散歩していたというので、一緒に海辺に行った。彼はカフェオーレを買って飲んでいた。

 3月に福岡市は地震に見舞われた。玄海島が大きな被害にあったが、志賀島も被害を受けている。いまだに通行止めの道路もある。地震の爪痕と見られる崩落箇所が目についた。

 7時過ぎに宿に戻るとみんな起きていた。ムラカミさんと窓の外を見ながら、谷崎潤一郎『細雪』の話、半農半漁の志賀島の生活の話などをしみじみとしていた。志賀島は福岡市内とはとても思えない素朴なところだ。

 朝食後に出発する。金印公園と志賀海神社に行くことになった。金印公園は1784年に発見された「漢委倭国王」の金印の出土地と言われている。よく整備されていた。海に面していて感じのよいところだった。公園内を歩いていて落ち着いた気持ちになれる。

 志賀海神社は志賀島の入口にある。ここも閑静なところだった。思ったよりも大きな神社だった。ここは地震による崩落や修繕した跡が目立っていて地震の爪痕が至る所に見受けられた。

 万葉歌碑が志賀島には10基あるそうだが、志賀海神社に一基あった。

  ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬともわれは忘れじ志賀の皇神(万葉集巻7.1230番)

 大石實『福岡県の文学碑』(海鳥社)によると、これは志賀島の第一号万葉歌碑で、鐘崎付近は航海の難所だった。難破船も多かったらしい。志賀の浦から船出して都へ向かう官人が詠んだ実感のこもった歌である。

 この他の万葉歌碑も訪ねてみたいものだ。潮見公園展望台にはここから歩いて20分ほどかかるらしい。蒙古塚も次の機会にしたい。福岡県で生活してきて志賀島に今まで来なかったということは残念だ。また来たいと思った。

 志賀海神社で解散する。お世話になったムラカミさん夫妻、オチさん夫妻、モロさんに別れを告げる。今度は年末の忘年会を楽しみにしたい。高千穂の夜神楽も是非行きたいものである。帰りは香椎から都市高速に乗る。都市高速は順調だったが、太宰府付近から盆の渋滞に苦しんだ。昼間であれだけの混雑とは、参ってしまった。

 

三日月山


笑顔の兄妹


立花山の大楠


立花山で記念写真


昼食風景


木登り


海水浴1


海水浴2


金印公園


志賀海神社


志賀海神社の地震の爪痕


志賀海神社の万葉歌碑


  読書会合宿から帰ったあとでユリは毎日寝る前に古事記を音読している。「12月の読書会でゆりちゃんは1ページ読まなくてはいけないからがんばる」と言っている。内容は頭に入っていないとは思われるが、「読書百遍自ずから通ず」でユリの肥やしにはなっていくだろうと思われる。

 私の本棚に、梅林孝雄『福岡県万葉歌碑見て歩き』(海鳥社)という本があった。昨年9月に出ている本だ。本屋で見つけて買ったものの存在を忘れていた。この本は福岡県内の万葉集の歌碑102基を取り上げている。太宰府関係が多いが、この志賀島の10基についても紹介してある。この本を見て、改めて志賀島を訪ねてみたいと思った。太宰府周辺の万葉歌碑も歩いてみたいと強く興味を感じた。

 読売新聞西部本社『物語の中のふるさと』(海鳥社)が最近出た。これは読売新聞のホームページで知っていた。一昨年に宮崎に行ったときに川端康成の『たまゆら』について取り上げられていたのを見た。このホームページはその後いつの間にか削除されていた。こうして本になったのは嬉しい。九州・山口の93編が取り上げられている。夏目漱石の『三四郎』『草枕』『二百十日』はじめ、九州内の私が関心のある作品とその舞台が紹介されている。『ありがとう山のガイド犬平治』も載っていた。この本は面白いと思う。文学散歩のよきガイドになる。

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